Tommy トミー
Tommy
日本公開日 1976年4月24日
当時、親にねだってようやく手に入れたステレオコンポで、FMラジオでオンエアされる音楽をカセットに録音するのが大好きでした(この行動は”エアチェック”と呼ばれていました)。
映画音楽の番組で「Tommy」のサントラから5曲が流れた時のこと。その中の1曲、エルトン・ジョンの「ピンボールの魔術師」を聴いた時、異様なほど惚れ込んでしまいました。まず、ヘッドフォンで聴いた時の音のステレオ感がすごい。そしてまるで空を舞っているような彼のボーカルに「なんだこの音楽は!?」と衝撃を受けたのを覚えています。
映画を実際に観たのは大学生になってから。
この作品は、The Whoが手がけたロックオペラアルバムの映画版で、父親の殺害現場を目撃したことで視覚、聴覚、言葉を失った青年が、内なる世界に閉じこもりつつも、ピンボールの天才として一気に有名になるというストーリーであることも、すでに知ってはいました。
それでも、映画の中で展開する映像にはぶっ飛びました。
ケン・ラッセル監督が作り出したゴージャスで狂気じみたビジュアル。すべてが「やりすぎ!」って感じで、思わず笑ってしまいながらも、カッコいいじゃんと感性を刺激してくれたのでした。