地球に落ちて来た男(1976)
The Man Who Fell to Earth
日本公開日 1977年2月11日
デヴィッド・ボウイは、時代ごとにセルフイメージを変化させ、芸術的なパフォーマンスで常に先端を走り続けたロックスターです。
代表曲「スペース・オディティ」、架空のロックスターを演じた「ジギー・スターダスト」、デストピアな世界をイメージした「ダイアモンドの犬たち」などで、生身の人間を超えたような独特の存在感を放っていました。
そんなボウイが異星人役で主演したこの映画、彼のキャラクターが異星人そのものとして描かれています。
劇中でボウイが歌うシーンはありませんが、彼の音楽活動で作り上げたキャラクターが映像として表現されているかのようでした。
物語は、母星を救うために地球に降り立った異星人(=ボウイ)が、特許技術で企業のトップに上り詰め、母星に水資源を持ち帰るロケットを開発しますが、人間たちに阻まれるという展開。
病的に痩せたボウイの姿は、非現実的な絶対的孤独感を際立たせ、ただ故郷に帰りたいと願う彼の哀しみに説得力を与えていました。
ボウイが健康的でダンディな魅力を見せるイメージになったのは、1983年にリリースされた「レッツ・ダンス」からなんですよね。
1999年には、77年に公開されたバージョンより20分長い「完全版」が公開されました。そして2016年にボウイが亡くなると、この作品が追悼上映されました。
彼はこの映画で第4回サターンSF映画賞の主演男優賞を受賞しています。
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