ハロウィン(1978)
Halloween(1978)
日本公開日 1979年8月18日
80年代のホラー映画ブームの中、独自のブランド感があったジョン・カーペンター監督による、スプラッター・ホラー「ハロウィン」シリーズの第一作。1978年公開の低予算インディーズ映画ながら、スプラッター・ホラーの先駆けとして世界的なヒットを記録しました。
物語は、幼い頃に姉を惨殺した少年マイケル・マイヤーズが精神病院に送られ、15年後に病院のずさんな管理の隙を突いて脱走します。そして、ハロウィンの夜、過去の事件で生き残ったローリー(ジェイミー・リー・カーティス)が、再びマイケルの凶行と対峙することに。
この作品が生み出した衝撃は、その後数多くの類似作を生み出しました。しかし、改めて本作を観ると、残虐な描写がほとんどないことに驚かされます。スプラッター・ホラーの原点と呼ばれる一方で、本作の真骨頂は、ヒッチコックから影響を受けたジョン・カーペンター監督の緻密でセンスある演出にあったことを思い知らされます。
また、監督自身が作曲したシンプルで反復的な音楽も、映画の怖さを増幅させる重要な要素です。この音楽の使い方は、その後のホラー映画に計り知れない影響を与えました。
配給を担当したのは、当時成人向け映画を扱っていたジョイパックフィルム。その背景を知ると、誰も期待していなかった新人監督が生み出した傑作が、いかにして歴史的な名作となったのかが一層感慨深く思えます。また、チラシのイラストには「?」と思ってしまいますが、これ以前になかったスタイルの映画と考えると、シンプルなデザインに勘違い風なマイケルの描き方が記念碑的に感じます。