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ジーザス・クライスト・スーパースター(1973)

Jesus Christ Superstar
日本公開日 1973年12月22日

ジーザス・クライスト・スーパースター(1973)[チラシ表]
ジーザス・クライスト・スーパースター(1973)[チラシ裏]
ジーザス・クライスト・スーパースター(1973)[チラシ中面]

ティム・ライスとアンドリュー・ロイド=ウェバーによる、イエス・キリストの最後の7日間を描いたロック・ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』。
この作品のユニークな点は、イエスの受難の地であるイスラエル/パレスチナ周辺に若い俳優たちがバスで到着し、「ジーザス・クライスト・スーパースター」という演目を展開する見せ方です。
音楽はどのナンバーも素晴らしいものばかりです。オ〜ザナヘイ、ザナザナザナホ〜。

元々は舞台劇でありながら、背景には青空と砂漠が広がり、俳優が自分の役を演じながら、その役柄そのものを体験していくような撮り方をしています。そのため、歴史劇ではなく、まるでリアリティショーのように観客が物語を「自分ごと」として感じ取れるのがミソです。

またこの作品では、イエスへの信仰の始まりを、ロックスターへの熱狂に重ねて、イエスは「人間」として描かれています。
ユダの描き方も、単なるイエスを裏切った弟子という扱いではなく、実はイエスを誰よりも尊敬し愛しており、だからこそ彼の人間的な振る舞いに「これではいけない」と感じてしまう人物となっています。
マリアもまた、宗教的な愛ではなく、純粋に一人の人間としてイエスを愛しています。
これらの解釈は、最近発見された「ユダの福音書」からも、事実に近いのではないかと私は思っています。

ちなみに、劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター:エルサレムバージョン」では、空間の使い方が非常に印象的で感銘を受けました。バージョンが異なっても、作品に一貫している音楽の力とキャラクターの強い想いが心を打ちます。

*「ジーザス・クライスト・スーパースター」には1973年と2000年の映画版があります。私は1973年版が好きですが、2000年版ソフトには、劇団四季の日本語歌詞が使われているのがポイントです。また、舞台の映像化バージョンもリリースされているので、ソフト購入の際は製作年を確認してください。

*ちなみに、この作品も名画座で『ロッキー・ホラー・ショー』と二本立てで上映されることが多く、愛着ある作品です。