ゴッドファーザー
The Godfather
日本劇場初公開日 1972年7月15日/
再上映 1976年
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1940年代のニューヨークを舞台に、裏社会を牛耳るマフィアのドン、ビトー・コルレオーネとその一族の血塗られた栄枯盛衰を描いた傑作です。堅気だった三男マイケルが、抗争の渦中でファミリーを守るため、冷酷な「ゴッドファーザー」へと変貌していく様は、なんとも言えない残酷さでした。
当時まだ30代前半だったコッポラ監督にとっては、まさに出世作となりました。それまで謎のベールに包まれていたイタリア系マフィアの世界、特に「ファミリー」という強固な絆や掟を世界中に知らしめた、大河ドラマです。
本作の映画的な凄みは、その徹底した映像演出にあります。撮影監督ゴードン・ウィリスによる、登場人物の目元を影で隠すような照明は「暗黒の王子」と言われる職人芸で、彼らの底知れぬ内面を表現していました。また、冒頭の書斎の重苦しい「闇」と、屋外の結婚式の眩い「光」の対比は、表と裏の顔を持つ彼らの二面性を雄弁に物語っていました。そして極めつけは、クライマックスの「洗礼シーン」です。教会での神聖な儀式と、同時刻に行われる残酷な粛清を交互に見せる並行モンタージュ(カットバック)。これにより、マイケルが神聖な誓いを立てながら、同時に修羅の道へ堕ちていく矛盾と悲しみが、強烈なインパクトで描かれていました。
公開当時、私はまだ小学生でしたが、後に名画座で観た際、ニーノ・ロータが手掛けたあの音楽に心を震わされました。重厚な哀しみを湛えたその旋律は、もはやこの作品の代名詞。映画音楽というジャンルそのものを代表する不朽の名曲として、あまりにも有名です。その調べと共に、マーロン・ブランドの圧倒的な威厳、格調高い文芸作品のような気品に触れ、映画的興奮を教え込まれた記憶があります。
*[参考リンク]コッポラが望んだ再編集版『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』意外にも多難だった製作現場