宇宙戦艦ヤマト(劇場版)
劇場公開日 1977年8月6日
1974年に日本テレビで毎週日曜日19:30から放送されていたTVアニメシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』は、リアルな戦艦の作画や、子供向けとは思えない緻密な設定とストーリー、美しい音楽が魅力で、私は夢中になって観ていました。
『宇宙戦艦ヤマト』は、本放送時には視聴率が低かったのですが、その後、夕方からの連日再放送が何度も行われ、そのたびに人気が広がっていった経緯があります。
ある日、本屋で「OUT」という雑誌が『宇宙戦艦ヤマト』を特集しているのを目にし、急いで家に戻ってお金を持ってきて購入したのをよく覚えています。当時、アニメが子供むけ雑誌以外で特集されることは珍しく、大好きな『ヤマト』が取り上げられていることに、喜びと驚きを感じた瞬間でした。
『宇宙戦艦ヤマト』の再放送による人気の高まりは、やがてファンによる大きなムーブメントへと発展し、その結果、TVシリーズを再編集した劇場版が制作されました。
また、この流れをきっかけにアニメ専門誌も次々と誕生しました。『ヤマト』の成功は、後に『機動戦士ガンダム』や『超時空要塞マクロス』、『新世紀エヴァンゲリオン』といった作品が、TV放送終了後に歴史に残る作品へと昇華していく先駆けとなる記念碑的な作品だったのです。
本放送当時、学校で『ヤマト』の話題を振っても、誰も知らず、共感を得ることができませんでした。
しかし、後に劇場で立ち見を含む超満員の観客たちと一緒に『ヤマト』を観たとき、多くの人が同じ作品に夢中になっている様子に、これまで感じたことのない「同じものが好き」という連帯感が心に湧き起こったのを覚えています。
スクリーンに映し出された『ヤマト』は、セル画の傷もそのままに、TVで観ていたあのままの『ヤマト』でした。今ならスクリーン用にブラッシュアップされるべきだと考えるかもしれませんが、当時はこの映画が<ファンへの感謝>のような位置付けだったので、それが正解だったのです。まさか、この映画がファン以外の人々まで巻き込んで大ヒットするとは、当時は思いもしませんでした。
▼ YouTube動画から