さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
劇場公開日 1978年8月5日
TVアニメシリーズを再編集した「宇宙戦艦ヤマト」のヒットを受け、劇場用アニメーションとして新たに制作された劇場版ヤマトの2作目。
まんが映画という呼び名からアニメーションへと名称が変わり、ムーブメントの只中にいた自分は、劇場用アニメ作品は、初日に前夜から劇場に足を運んで行列に並び、ファンの一員として熱気に身を置くことが通例でした。「丸の内東映パラス」に並ぶ徹夜の列が長くなってしまい、早朝に定員数が大きな「丸の内東映」で、急遽1回目の上映が行われた記憶があります(丸の内東映と東映パラスは同じ建物にある2つの映画館)。
初日直前、ラジオ局ニッポン放送で「さらば宇宙戦艦ヤマト」声優陣による生ラジオドラマを含むスペシャル番組がオンエアされました。
ドラマ部分はエピソードを細切れにして、間にCMやトーク、インタビューを挟みながら、艦長になった古代進、地球に迫る白色彗星のヤバさなど、作品の途中までを再現。展開の面白さにテンション上がりまくりです。
今思えば、声優さん勢揃いで、生でラジオドラマって、どんだけ無茶な企画だよとは思います。ラジオ用に脚本が書き下ろされ、効果音や音楽も入ったドラマですよ。後にレコードでリリースされたのかな。家庭用ビデオがまだなかった時代ですから、作品を追体験するにはそういう手段しかなかったのです。
敵の艦隊に、一人艦長として残った古代が、ヤマトをぶつけるため向かっていくラストは、涙、涙…。
その行動に至るまでの古代の苦悩や、前艦長:沖田のメッセージなど、生きるとはどういうことかを問う描写はしっかりあるのですが、当時「反戦」意識の高い層から「特攻を美談にしている」という反発を買いました。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のミサトさんがヴンダーと共に突っ込む展開、この「さらば宇宙戦艦ヤマト」と同時期だったら、同じように抗議が来るのかな。「エヴァ」の場合、各部分で物議を醸し出してるからねぇ…(笑