ローラーボール

ROLLERBALL
日本劇場公開日 1975年7月26日

『ローラーボール』は、近未来社会を舞台に、国家や企業に管理された世界で行われる過激なスポーツを描いたSF映画。ローラーボールとは、ローラースケートを履いた選手たちが高速で周回するリンク上で、鋼鉄のボールを奪い合い、激しい体当たりや転倒が容赦なく起こる競技です。勝敗だけでなく、暴力性そのものが見世物として消費される点が特徴でした。

日本公開当時、この映画は現実の「ローラーゲーム」人気と重なって受け止められていました。ローラーゲームは、男女混成のチームが楕円形のコースを周回し、得点と妨害を繰り返すアメリカ発祥の競技で、テレビ東京では毎週、東京ボンバースと対戦チームとの試合が放送され、プロレスに近い大きな人気を集めていました。日本武道館で開催された試合を実際に観に行き、会場の熱気に興奮した記憶もあります。

そのため『ローラーボール』は、荒唐無稽な未来像というより、当時の熱狂を少し先の世界へ拡張した映画として受け止められていました。今ではローラーゲーム自体を見かけることがなくなり、ふと思い返してしまう作品です。
*2002年にリメイク版が公開されました。