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11人いる!/扉を開けて

劇場公開日 1986年11月1日

11人いる!/扉を開けて[映画チラシ 表面]
11人いる!/扉を開けて[映画チラシ 裏面]

『11人いる!』原作者の萩尾望都の作品が大好きで、「漫画の神」と崇拝していたので、正直なところ「原作以上のものになるとは思えない」と感じ、当時は劇場へ足を運びませんでした。萩尾望都作品は「ポーの一族」「半神」など舞台化された作品はいくつかありますが、アニメ化されたのは本作1本のみです。

作品は、萩尾望都の絵というより、キャラクターデザイン:杉野昭夫のタッチが強く出ています。当時、少女漫画らしい繊細な線や表情をアニメとして成立できる稀有な方だったのもあり、そこに大きな違和感はありませんでした。
最終試験に残ったのは10人のはずなのに、なぜ11人いるのか。その謎を軸にしたサスペンスも、原作の骨格がしっかりしているだけにきちんと機能しています。
音楽には少し時代を感じますが、原作ファンとしてがっかりするような出来ではありませんでした。

ただ、少女漫画という枠の中で文学性と繊細な絵柄で本格SFへ挑んだ作品だけに、劇場映画にするのであれば、もうワンランク、才気や大胆さを感じさせる映像作品にしてほしかった、という思いは残ります。

併映は、まるで少女漫画を読んでいるような文体で人気を集めたSF作家・新井素子原作の『扉を開けて』。
新井素子の原作は、いまで言えばライトノベル的な読みやすさを持ち、内容も異世界転移や魔法ものの先駆けのような作品でした。キャラクターデザインは、萩尾望都と並んで人気のあった竹宮惠子でした。

ただ、アニメそのものは当時のテレビアニメのようなクオリティで、新井素子独特の軽やかな文体や、日常の延長線上から異世界へ踏み込んでいく感覚を十分に活かせていたとは言いにくかったです。むしろ若者たちの会話や距離感は、実写のほうが似合ったのでは、と感じました。

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