モダン・タイムス
Modern Times
日本初公開 1938年
リバイバル公開「ビバ!チャップリンシリーズ」有楽座 1972年
リバイバル公開「さよならチャップリンシリーズ」テアトル東京 1978年
初めて親に連れて行ってもらったロードショー劇場での洋画は、1972年の〈ビバ!チャップリン〉シリーズ第1弾の「モダン・タイムス」でした。今思えば、映画との出会いとしては最高の「初体験」だったなと思います。
チャップリンは喜劇の王様であり、映画芸術の最高峰でもあります。
〈ビバ!チャップリン〉シリーズは、映画評論家の淀川長治氏が、チャップリン作品の偉大さを後世に伝えるためにも、サイレントでモノクロ、スタンダードサイズの映画であっても、ロードショー館「有楽座」での連続上映を配給会社に強く訴えた、という逸話を聞いたことがあります。
その有楽座の大スクリーンで観た「モダン・タイムス」。入場するまで長い行列に並んだ記憶が鮮明です。映画が始まると、画面の中で次々に起こるギャグに、腹を抱えて大笑いしたのを覚えています。子供ながらに、数日経ってもその体験が心に残り、ワクワクが止まりませんでした。
特に記憶に残っているのは、自動で食事をさせるマシーンの実験台にされるシーン。トウモロコシが回転しながら左右に動いて口に無理やりあてがわれる様子は、笑わずにはいられませんでした。笑いながら、機械には人間の感覚なんて理解できないよ、というメッセージを頭にインプットされました。
今の世代でチャップリン映画を観ていない人がいるとしたら、それはとてももったいないことだと思います。
日本のコメディアンにも大きな影響を与えたその元ネタを、ぜひ贅沢な環境で味わってほしいと心から願っています。
▼PDFには、〈さよならチャップリン〉シリーズのチラシと、〈ビバ!チャップリン〉シリーズ時の2バージョン収録しています。