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ウエストワールド(1973)

WEST WORLD
日本公開日 1973年12月15日

1973年公開の『ウエストワールド』は、『スター・ウォーズ』登場以前のSF映画が置かれていた位置をよく伝える一本です。
当時のSF映画は、必ずしも派手な娯楽大作ではなく、アイデアや設定の面白さ、どこか不穏な未来像を描くジャンルとして受け止められていました。本作は、近未来の娯楽施設という一見楽しげな設定から始まりながら、次第にその世界が信用できないものへと変わっていく不安を、観る側に強く印象づけました

日本公開当時、小学生だった自分にとって本作は、SFと西部劇の融合という発想よりも、娯楽作とは思えない不気味さや怖さが強く印象に残る映画でした。とりわけ印象的なのが、主演にユル・ブリナーが起用されていた点でした。『荒野の七人』で知られるガンマンのイメージを背負った彼が、未来世界における無敵のガンマンとして登場することで、時代の交錯という設定に強い説得力が生まれています。

無表情のまま人間を追い詰めていくブリナーの姿は、当時は忘れがたい恐怖でした。



▼ Westworld | Original Trailer | Michael Crichton, 1973 (YouTube)