エクソシスト(1973)
THE EXORCIST
日本公開日 1974年7月13日
異常な出来事、神父の葛藤、そして母親の苦悩を、冷静な視点で描きながら、観客をその異様な現場に立ち合わせるような恐怖の映像体験。ウィリアム・フリードキン監督によるオカルト映画の傑作です。
リンダ・ブレアが演じる少女のあどけない顔と、悪魔に取り憑かれた時のグロテスクな表情のギャップが怖い。人格が変わるだけじゃなく、見た目までこんなに変わってしまうなんて。
今ではお馴染みのベッドが揺れたり、体が浮いたり、そして頭が真後ろに回転するなどのシーンは、当時は衝撃的でした。ヒトがヒトでなくなっていく様子が、こんなにも恐怖を覚えるとは。
実は僕、公開当時は怖いものが大の苦手で、この映画を初めてきちんと観たのは大学生になってからでした。
それまでの僕は、週刊誌に載っていた「エクソシスト」の悪魔に取り憑かれたリーガンの写真を見ただけで泣いてしまうような純真な少年でした。でも大学を卒業する頃には、すっかりホラー耐性ができてしまい、むしろ刺激を求めるように(笑)。あの頃の怖がりな自分は、もうどこにもいません。
*ポスターデザインは、「ジョーズ」と並ぶ、70年代を代表するシンボリックな秀逸グラフィックス。
作品本編を観ると、これから始まることを予感させるあのシーンから取ったイメージだったのか、とセンスに脱帽。
*【祝50周年】公開から半世紀を経てもなおホラー映画の頂点に立ち続ける『エクソシスト』を完全解説!|新タニムラ洋画劇場【ホラー映画解説Channel】(YouTube)
作品の詳細な解説ばかりでなく、その背景となる事柄までも語ってくれています。