夜叉ヶ池
劇場公開日 1979年11月17日
![夜叉ヶ池_1 - あの頃の映画チラシ [夜叉ヶ池 映画チラシ表面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/夜叉ヶ池_1-1380x1954.jpg)
![夜叉ヶ池_2 - あの頃の映画チラシ [夜叉ヶ池 映画チラシ裏面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/夜叉ヶ池_2-1380x1953.jpg)
*この作品は1979年公開ですが、鈴木清順の大正浪漫3部作と並べて配置したかったので、ここに置いています。
泉鏡花の戯曲を篠田正浩監督が映画化した1979年の作品で、玉三郎はこれが映画初出演。
物語は、夜叉ヶ池の伝説を調べるため山奥の村を訪れた学者・山沢(山﨑努)が、百合(坂東玉三郎)という美しい女性と出会うところから始まります。
百合の家を訪ねた山沢は、そこで思いがけない人物と再会します。百合の夫・晃(加藤剛)は、かつて山沢の親友であり、各地の伝説を調べる旅に出たまま行方が分からなくなっていた男でした。
晃は旅の途中で夜叉ヶ池を訪れ、池に封じられた竜神を鎮めるため、一日に三度鐘を撞かなければならないという伝説を知ります。
鐘楼守の老人が亡くなったあと、百合と出会った晃はその土地に残り、自ら鐘楼守を引き継いでいたのです。
ところが夜叉ヶ池の底では、竜神・白雪姫(坂東玉三郎)が人間との約束によって池に縛られながら、外の世界への想いを募らせていました。
やがて人間たちの世界で起きた出来事をきっかけに、長く守られてきた約束が崩れ、物語は大洪水へと向かっていきます。
公開当時に観た友人から聞いた感想が、今でも記憶に残っています。
「歌舞伎の舞台をそのまま映像にしたみたい。台詞もたぶん原作そのままだから、現代口語訳の字幕をつけてほしかった。でも終盤の洪水の特撮はよかった」
なるほど、それを聞いただけでも、普通の妖怪映画とはずいぶん違う作品らしいことが伝わってきました。
クライマックスの大洪水は、特撮監督・矢島信男のもと、大船撮影所のステージを改造し、50トンもの水を使って撮影されたとのこと。
友人が「洪水の特撮はよかった」と話していたのも、こうした大掛かりな撮影を知ると納得できます。
ところが私は、チラシを手に入れてから長い年月が経った今も、この作品を観ていません。
映画は1979年の公開後、長く再上映やソフト化の機会に恵まれず、私にとってはいつしか「観たくてもなかなか観られない映画」のひとつになっていました。
それだけに、2021年、公開から42年を経て4Kデジタルリマスター版が劇場公開され、同時期にBlu-ray化されたというニュースには驚きました。
いまでは、いつでも観られる作品になりました。
だからこそ、そろそろこの長い「未見」に終止符を打たなければ、と思っています。