ヒポクラテスたち
Disciples of Hippocrates
劇場公開日 1980年11月22日
![[ヒポクラテスたち 映画チラシ表面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/ヒポクラテスたち_1-1-1380x1055.jpg)
![[ヒポクラテスたち 映画チラシ裏面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/ヒポクラテスたち_2-1-1380x1052.jpg)
公開当時、私は高校生でした。
それまで「お医者さん」といえば、どんな病気も治せる頭のいい人たちという、どこか遠い世界の存在。だからこそ、この映画で描かれた医学生たちの生々しい青春模様は、とても新鮮で、強い共感を覚えたのです。
物語は、京都の医大で最終学年を迎えた荻野愛作(古尾谷雅人)ら7人の臨床実習グループが、人の生死や医療現場の厳しい現実に直面しながら、それぞれの進む道を模索していく青春群像劇です。
キャンパスでの何気ない会話や仲間との交流、実習先で突きつけられる現実。
そこにいるのは、病院で見かける頼もしい医師ではなく、自分たちと変わらない、ごく普通の若者たちです。
それでも、やがて人の命を預かる立場になる彼ら。理想と現実の狭間で揺れ動く姿や、意気込みだけでは乗り越えられない壁にぶつかる焦燥感が、痛いほど伝わってきます。
木村みどり(伊藤蘭)や河本一郎(柄本明)ら、それぞれに悩みを抱えた仲間たちの描写にも、作り物めいたところがありません。
大森一樹監督自身の医大生時代の体験が下敷きになっているからこそ、単なる医療ドラマでは描ききれない、若者たちの息遣いや時代の空気が感じられるのでしょう。
手探りで大人になろうとする彼らの姿は、進路を考えていた高校生の自分にとっても、決して他人事ではなかったのです。
観終わったあとは、映画としての面白さに満たされると同時に、どこか甘酸っぱい余韻が残ったことを覚えています。
自分はこれから何を目指し、どう生きていくのだろう。
そんな漠然とした思いまで呼び起こしてくれた、今も大切な青春映画の一本です。
▼ ヒポクラテスたち 予告編|more sokomade