太陽を盗んだ男
The man who stole the sun
劇場公開日 1979年10月6日
![[太陽を盗んだ男 映画チラシ表面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/太陽を盗んだ男_1-1380x1955.jpg)
![[太陽を盗んだ男 映画チラシ裏面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/太陽を盗んだ男_2-1380x1957.jpg)
1979年公開、長谷川和彦監督による異色の犯罪映画です。
中学校の理科教師・城戸誠(沢田研二)が、たった一人で原子爆弾を製造し、国家を脅迫するという、とんでもない物語。冴えない教師が、世界を震撼させるほどの力を手に入れてしまうのです。
公開当時、僕はどちらかといえば洋画好きの映画少年でした。そんな中、評判の良さに惹かれて観た本作には、すっかり興奮させられました。こんなに面白い日本映画があるのかと、日本映画を見直すきっかけにもなった作品です。
面白いのは、主人公を演じる沢田研二の存在です。劇中では冴えない理科教師ですが、現実の沢田研二がどれほどのスーパースターだったか、当時の観客は誰もが知っていました。そんな彼が原爆という究極の力を手に入れ、国家を相手に要求を突きつける。スクリーンの中の城戸と、現実のジュリーの存在感が重なり合い、奇妙な説得力を生んでいたように思います。
一方、彼に立ちはだかるのが、菅原文太演じる山下警部。体を張って事件を解決する、男らしさを絵に描いたような刑事ですが、皮肉にも彼の存在が、城戸の犯罪を本格的に動かすきっかけとなってしまいます。
城戸が要求するローリング・ストーンズの日本公演も、当時を知らなければ、その意味が伝わりにくいかもしれません。ストーンズはミック・ジャガーの麻薬所持による入国問題などから、日本公演が実現できない大物バンドでした。そんな時代だからこそ、この要求にも途方もないスケールの馬鹿馬鹿しさと興奮があったのです。
以前、19歳年下の映画好きの同僚に本作を熱くすすめたことがあります。ところが返ってきたのは「面白かったけど、そこまで熱くなるほどではなかったかな」という、少々肩透かしな反応でした。
考えてみれば、19年も違えば育った時代も、映画に求める刺激も違います。公開当時の社会背景や沢田研二の存在感を共有していなければ、僕が受けた衝撃も、そのまま伝わるわけではないのでしょう。また、善悪に対する意識のしきい値も変化しているのかもしれません。
これほど面白い映画を撮った長谷川和彦監督の才能には圧倒され、次回作を心待ちにしていました。しかし、さまざまな事情から新作が実現することはなく、結局、本作が最後の監督作品となってしまいました。
あれほどの才能を見せつけながら、長編監督作はわずか2本。その映画人生もまた、どこか型破りなものでした。
『太陽を盗んだ男』を放った、ゴジと呼ばれた男【そのとき映画は誕生した Vol.4 前編】|CINEMORE
▼ 【特別公開】『太陽を盗んだ男』(1979)予告編<4Kデジタルリマスター版>|東宝クラシックス
映画『太陽を盗んだ男/4Kデジタルリマスター』オフィシャルサイト
▼ 『太陽を盗んだ男 ULTIMATE PREMIUM EDITION』(2001年9月21日発売)のジャケット
ーまるで横尾忠則さんの作品みたいに思ってしまいますが、沢田研二のアートディレクションを長年担当していたデザイナー:早川タケジさんの仕事です。
![[太陽を盗んだ男 DVDカバー]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/10/太陽を盗んだ男DVD.jpg)