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マルサの女2

A Taxing Woman’s Return
劇場公開日 1988年1月15日

[マルサの女2 映画チラシ表面]
[マルサの女2 映画チラシ裏面]

『マルサの女』の大ヒットからわずか1年。伊丹十三監督が初めて手がけた続編です。

前作では、国税局査察部、通称「マルサ」の仕事ぶりと、あの手この手で脱税を企てる人間たちの滑稽さを、ユーモアたっぷりに描いていました。

今回は、宗教団体を隠れ蓑にして巨額の利益を得る悪徳実業家・鬼沢鉄平(三國連太郎)を中心に、政治家や暴力団までが絡む、より複雑で巨大な利権構造へと踏み込んでいきます。

宮本信子演じる板倉亮子は、今回も持ち前の行動力と執念で不正を追及していきます。
しかし、前作では脱税する側もどこか憎めない、ユーモラスな人物として描かれていたのに対し、本作では、金と権力に取り憑かれた人間たちの姿が、ユーモララスな描写ながら、より露骨で不気味なものになっています。
権力を持つ者たちのしたたかさや、社会の不条理が色濃く描かれているのです。

それでも、伊丹映画ならではの細部へのこだわりや、人間の欲望を観察する鋭い視線は健在です。

公開当時、すでに「地上げ」という言葉は世の中に浸透していました。
しかし、それが実際にどのような手口で行われ、裏でどのように巨額の金が動いているのか、私自身、漠然としか理解していませんでした。この映画は、そんな社会の裏側を具体的に見せてくれたように思います。

宗教団体の内情や、巧妙に隠された金の流れなど、普段は知ることのできない世界を覗き見たような気分になりました。
フィクションでありながら、『マルサの女』という娯楽映画のフォーマットを利用して、当時の社会に潜む不正や腐敗を告発しているかのような印象さえ受けました。

そして、こうした巨悪の存在は、映画が公開された1988年当時だけのものではなく、今もなお、社会のどこかで脈々と続いているのではないかと思います。

前作の痛快な娯楽性を期待すると、少し重苦しく感じる部分もありますが、伊丹十三が単なる続編にとどまらず、より踏み込んだ社会風刺を試みた意欲作でした。
ぜひ前作とセットで鑑賞してほしいです。

▼ 伊丹十三[マルサの女 2]予告編|more sokomade

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