アマデウス
Amadeus
日本劇場公開日 1985年2月2日
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8世紀のウィーンを舞台に、老いた宮廷楽長サリエリの回想と懺悔を通じて、天衣無縫な天才モーツァルトの生涯と、その謎めいた死を描き出した物語です。アカデミー賞8部門を独占した、映画史に燦然と輝く傑作です。
ミロス・フォアマン監督の手腕は本当に鮮やかでした。本来は高尚で敷居が高いと思われがちなクラシック音楽を、当時全盛期だったMTVのミュージックビデオのような疾走感で映像化し、モーツァルトをまるで現代のポップスターのようにスクリーンで躍動させたのです。
物語は、努力の人であるサリエリの語りで進みます。だからこそ私たち観客は、凡人である彼の言葉に痛いほど共感し、手の届かない圧倒的な才能を持つ人間への、焦がれるような嫉妬を共有してしまうのです。一方で、下品で子供っぽく描かれたモーツァルトの姿からは、「音楽の才だけを与えられた純粋な器」であるがゆえに、あの神懸かり的な作品を生み出せたのだと気付かされます。何か大切な人間的な成熟と引き換えにしてしか得られない、残酷なまでの「等価交換」。そんな深淵なテーマもまた、このエンターテインメントの中にしっかりと織り込まれていました。
また、サリエリが仕える皇帝(マジェスティ)を取り巻く、あの個性的な宮廷音楽家たちの顔ぶれも忘れられません。特に、どこか『スター・ウォーズ』のジャバ・ザ・ハットを思わせるような容貌の方など、一度見たら忘れられない強烈な脇役たちが、目配せでコミュニケーションをとる様も面白かったところです。
私はもともと英国ロック一辺倒の人間でしたが、作品の素晴らしさに魅了され、当時レーザーディスク(LD)で、それこそ擦り切れるほど何度もリピート鑑賞しました。そして、モーツァルトのベスト盤とも言えるサウンドトラック盤も、一日中耳の中で鳴り響いていました。
*2002年に公開された『アマデウス ディレクターズ・カット版』は、約20分のシーンを復活させて音声をデジタルリマスターさせた者です。映画評論家「おすぎ」が、テレビCMで「傑作がさらに傑作になった!」とコメントしていましたが、私個人としては、映像と音が融合した疾走感のあるオリジナル公開版の方が好きでした。
▼ Amadeus | 4K Ultra HD Trailer | Warner Bros. Entertainment