機動警察パトレイバー the Movie
劇場公開版 1989年7月15日
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押井守監督が、コミックやOVAで親しまれていた「レイバー」というメカものの設定を使いながら、劇場映画としてまったく別の密度を持つ作品に仕上げていました。
巨大ロボットが活躍するアニメでありながら、印象に残るのはむしろ東京という都市の風景。再開発されていく湾岸、工事現場、ビル群、古い街並み。その細かな描写には、のちの『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』につながる押井守らしい都市への視線を感じます。
メカニックの描写も徹底していて、レイバーを単なるヒーローロボットではなく、社会の中で実際に使われている機械として見せるところが面白い。オタクが好きなメカ、コンピュータ、都市、陰謀といった要素を詰め込みながら、決して内輪向けにはならず、一本のサスペンス映画として成立していました。
今作では本来の「パトレイバー」の中心キャラの存在が影をひそめ、観客の視点で物語を引っ張るのは後藤隊長です。
飄々としていながら真相へ近づいていく後藤の存在感が非常に大きい。さらに今作に限って言えば、主人公たちよりも、姿の見えない帆場暎一がもっとも映画を支配しているキャラクターと言っていいと思います。
シリーズものの劇場版として観たら、賛否の分かれるところではりますが、濃密な世界観を作り上げた1本の映画として、よくできた作品でした。そして劇場用2作目に至って、もしも東京にテロが起きたら…というシミュレーションに基づき、中心キャラをさらに横に追いやっての極上のサスペンス映画を作られることになります。
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