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鉄男

TETSUO
劇場公開日 1989年7月1日

[鉄男 映画チラシ表面]
[鉄男 映画チラシ裏面]

塚本晋也が監督・脚本・撮影・美術・出演を手がけた、今や世界的なカルトムービーとなった自主製作映画です。

公開は中野武蔵野館でのレイトショー。ロビーのない映画館の入口付近には、一般的なロードショー作品の観客とは雰囲気の異なる、まるでライブハウスの前にたむろしているような人たちが集まっていました。

物語は、平凡なサラリーマンの身体に金属片が現れ、やがて肉体そのものが鉄へと変貌していくというもの。
全編モノクロ、上映時間約67分。低予算の自主製作映画でありながら、コマ撮りによる異様なスピード感、金属が肉体を侵食していくグロテスクな造形、耳をつんざく金属音と激しい音楽が、容赦なく圧倒してきます。

中でも忘れられないのが、田口トモロヲ演じる男の性器が電動ドリルへと変貌し、同居する女性に挿入すると、その背後の壁に血飛沫が飛び散る場面です。それまで数多くのホラー映画を観てきた自分でさえ、精神的な衝撃を受けました。

柔らかな肉体と硬い鉄が融合していく。
そこには、単なる痛みや恐怖を超えた、奇妙な官能性がありました。ボディピアスにも通じるような肉体感覚が、自分の中にあるセーフティ・ゾーンを軽々と突破し、感覚のインジケーターを振り切ってしまう。恐怖と快楽の境界さえ曖昧になる、エロティシズムの極限を見せられたような気がしたのです。

そして、謎の男を演じる若き塚本監督自身の、生脚の太腿にも妙な色気を感じてしまいました。
思えばこの映画は、恐怖の限界を押し広げただけでなく、自分でも意識していなかった性的な嗜好まで、いろいろと目覚めさせてくれたのでした。

デヴィッド・リンチの悪夢的な世界や、デヴィッド・クローネンバーグの肉体変容を描くホラー映画を連想させながらも、そのどちらとも異なる独自の映像世界。本作はローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞し、塚本晋也の名前を世界に知らしめるきっかけとなりました。

塚本晋也監督が東京国際映画祭で創作秘話を披露!名作「鉄男」の誕生秘話から最新作への思い、独自の映画哲学まで熱弁|Japan Today 24

自動翻訳のため「鉄男」を「かねお」と読んでますが(笑

鉄男 (1989) – 塚本晋也監督による、キネティックな終末的ボディホラーの傑作|reddit

▼ 鉄男 TETSUO THE IRON MAN|Official海獣シアター

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