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帝都物語(1988)

劇場公開日 1988年1月30日

[帝都物語 映画チラシA表面]
[帝都物語 映画チラシA裏面]
[帝都物語 映画チラシB表面]
[帝都物語 映画チラシB裏面]

荒俣宏の原作が好きで、東京が近代都市として形づくられていく過程に、風水や呪術といったオカルト的な防御を組み込んでいく壮大な世界観にワクワクしながら読んでいました。
原作には、東京のどこからどこまで歩いた、といった具体的な土地の描写が多く、夏目漱石の『こころ』など明治期の文学を読むときにも感じる、土地勘や距離感がわかるからこそのリアリティがありました。ある意味、ローカル小説と言えたかもしれません。

ところが映画が始まると、冒頭から「加藤が来るぞー!」と慌てて走り、呪術で迎え撃とうとする神官たち。
えっ、いきなり原作2巻分をすっ飛ばして始まった!と驚かされました。そして、これはオカルトによる歴史絵巻であることを宣言されたと感じました。

そこからは、カットの尻を短く詰めた編集で物語がものすごいテンポで進み、次から次へと現れるオールスターキャスト。
そして『ウルトラマン』『ウルトラセブン』でも、独特の構図や光と影の使い方などで作品に強烈な個性を刻み込んできた実相寺昭雄監督ならではの画面づくり。
明治から昭和へと続く原作の巨大な世界を一本の映画に詰め込もうとした結果、観終わったときには「もう少し省いてもよかったかも…」と思うほど、内容てんこ盛りの作品になっていました。

その世界を本気で映像にしようとする力の入れ方もすごかった。
明治末期の銀座を再現した大規模なオープンセットを作り、『エイリアン』の造形で知られるH.R.ギーガーまでクリーチャーデザインに参加。
実相寺昭雄の映像世界に大がかりな特撮や怪奇趣味が入り乱れ、特撮映画好き、オカルト好きの映画ファンにとっては、たまらない魅力を持った作品でもありました。

そして何より忘れられないのが、平将門の霊を呼び覚まそうと企む魔人・加藤保憲。
この作品が映画デビューとなった嶋田久作の、長身に軍服、鋭く異様な顔立ちから放たれる圧倒的な存在感は、それだけで『帝都物語』という映画のシンボルになっていました。

原作の魅力を十分に整理しきった完成度の高い映画化だったかといえば、そうとは言い切れません。
それでも、実相寺昭雄の映像、豪華な俳優陣、大がかりなセットと特撮、過剰なほど詰め込まれた物語、そして嶋田久作の加藤保憲。そのすべてを含めて、今でもお気に入りの一本です。

そして2026年には、『帝都物語』4Kリストアを目指すクラウドファンディングも実施されました。
公開から長い年月を経てもなお、この独特な映像世界をより良いかたちで後世に残そうという動きが生まれていることも、この映画が今なお多くの人を惹きつけている証なのだと思います。

帝都物語4Kリマスター企画・クラウドファンディングページ(2026年3月30日終了)|MOTION GALLERY

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▼ 魔人・加藤が帝都を襲う――「帝都物語」(1988年)予告編|【公式】キネマ旬報

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▼ 「帝都物語」 4K リストア クラウドファンディング映像|【公式】キネマ旬報

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▼ 『帝都物語』4Kリマスター企画 神田明神イベント用特別映像|映画秘宝

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