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夢二

劇場公開日 1991年5月31日

[夢二 映画チラシ表面]
[夢二 映画チラシ裏面]

独特な美人画で一世を風靡し、多くの女性たちを魅了した画家・竹久夢二。
その夢二を沢田研二が演じた、鈴木清順監督「大正浪漫三部作」の三作目です。

この作品も、ドーム型テント「シネマ・プラセット」で公開中に観ました。

とはいえ、清順監督ですから、夢二の生涯を順序立てて描く伝記映画になるとは、たぶん誰も思っていなかったはず。

物語は、恋人・彦乃(毬谷友子)との逢瀬を求めて金沢近郊を訪れた夢二(沢田研二)が、そこで巴代(広田玲央名)という女性と出会うところから始まります。巴代は、行方の知れない夫を待ちながら暮らしている謎めいた女性。夢二はやがて彼女に惹かれ、彦乃との関係も絡み合いながら、物語は現実と幻想、生と死の境目が曖昧な世界へと入り込んでいきます。

夢二を取り巻く女性たち、恋愛と嫉妬、そして絶えず漂う死の気配。
華やかな大正浪漫の世界でありながら、その奥にはどこか退廃的な空気が流れていました。

前二作にあった、この世とあの世の境目が溶けてしまうような感覚は『夢二』にもありますが、『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』と比べると、少し軽やかな印象です。よく言えば、三部作の中では一番入りやすい作品だったように思います。

沢田研二も、ここではスーパースター然とした華やかさを前面に出すのではなく、どこか頼りなく、女性たちの間を漂う男として抑えた存在感で夢二を演じています。
ただ、個人的な「竹久夢二」のイメージとしては、ポスターにも姿を見せる坂東玉三郎のほうが、どこかしっくりくるようにも感じました。

そして何より、毬谷友子と広田玲央名が美しかった。
清順映画の女性たちは、単に物語の中に存在しているというより、衣裳や色彩、仕草まで含めて、一枚の絵のように画面へ現れます。
『夢二』では、その華やかさが作品全体の色彩ととてもよく似合っていました。

映画館を作った話。(note)|Meguru Ishida
シネマ・プラセットのドーム型テントを設営/撤去作業を経験された方の貴重な記事

鈴木清順 生誕100年記念「SEIJUN RETURNS in 4K」公式サイト|リトルモア

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