
叫びとささやき
Viskninger Och Rop
日本公開日 1974年1月19日
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イングマール・ベルイマンは、スウェーデン出身の映画監督・脚本家で、20世紀を代表する映画作家のひとりです。人間の孤独、死への恐怖、信仰への葛藤といった深遠なテーマを、緻密な映像美とともに描き続けました。代表作には『第七の封印』『野いちご』『ファニーとアレクサンデル』などがあり、世界の映画芸術に多大な影響を与えました。
1972年に公開された『叫びとささやき』も、彼の重要な作品のひとつです。
末期がんに苦しむ女性と、彼女を看取る姉妹たちの葛藤と和解を、赤を基調とした鮮烈な色彩表現で描き、公開当時、映画誌でやたらと絶賛の記事を目にしたのを覚えています。アカデミー賞では撮影賞を受賞、作品賞など複数部門にノミネートされました。
私はベルイマン作品では『第七の封印』『野いちご』『処女の泉』などのモノクロ映画を大学生の頃に鑑賞しました。
そこではハイコントラストな白黒映像で、幻想的な世界観と人間の残酷さが印象深く描かれており、巨匠と言われる所以を実感したものです。しかし『叫びとささやき』については未見で、今も少し心残りを感じています。
というのも、ベルイマンがテレビ用に制作した『ある結婚の風景』の劇場版を先に観た影響が大きいのです。顔のクローズアップが多く、対話中心の展開に高校生だった私は疲れてしまい、内容についても子供の私には理解できないものでした。
後に大学時代にモノクロ作品群を一気に観た勢いで、『叫びとささやき』にも触れておくべきだったな。
ベルイマンはテレビ向けにもいくつか作品を残していますが、劇場映画と比べると、美術館に飾られた絵画を眺めるような映画的な充実感に、どうしても差を感じることがあります。
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