秋のソナタ（1978）

Autumn Sonata
日本公開日　1981年10月10日

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが人生の後期に手がけた、静かながら圧倒的な心理劇。
孤独や愛情の欠如、家族の断絶といった、ベルイマンが繰り返し向き合ってきたテーマを、より個人的で繊細なかたちで描いています。

主演は、同じスウェーデン出身で、ハリウッド黄金期に『カサブランカ』などで一世を風靡したイングリッド・バーグマン。若き日の清楚なスター女優のイメージとは一転、老いと後悔を抱えた母親役に挑み、話題を呼びました。

物語は、世界的なピアニストである母（イングリッド・バーグマン）と、長年愛に飢えて生きてきた娘（リヴ・ウルマン）が再会し、一夜の対話を通して抑え込んできた感情をぶつけ合うもの。
限られた空間と静かな会話劇のなかで、言葉にできない痛みと赦しの困難さが浮かび上がり、女優たちの火花散る演技がすごいです。

1978年 ゴールデングローブ賞 外国語映画賞受賞／アカデミー外国語映画賞ノミネート