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ペーパー・ムーン

Paper Moon
日本公開日 1974年3月9日

ペーパー・ムーン[映画チラシ表面]
ペーパー・ムーン[映画チラシ裏面]

『ペーパー・ムーン』は、アメリカの大恐慌時代を背景にしたロードムービーです。
聖書の訪問販売を口実に金をだまし取る男モーゼと、母を亡くした少女アディが、思いがけず一緒に旅をすることになります。年齢も性格も違うふたりですが、各地を回るうちに少しずつ距離が近づいていきます。

主演はライアン・オニールと、彼の実の娘であるテイタム・オニール。テイタムはこの作品で10歳にしてアカデミー助演女優賞を受賞しました。彼女の自然体の演技には、子どもらしさと大人びた雰囲気が同居していて、年齢以上の感情の豊かさがにじみ出ていました。

モノクロ映像で映し出される田舎町の風景や、車内でのさりげないやりとりには、どこか懐かしさや人のおおらかさを感じました。
大きな事件が起こるわけではありませんが、ふたりの関係の変化を見つめるうちに、タイトルの「ペーパー・ムーン(紙の月)」*が持つ意味が、少しずつ伝わってくるように思います。

私が初めてこの作品を観たのは中学生の頃でした。あまりに画面の中の展開が楽しすぎて、どうか終わらずにずっとずっと続いてほしいと願った記憶があります。今でもその時の気持ちは、いい思い出として残っています。

*タイトル「ペーパー・ムーン」は、1930年代にヒットした歌「It’s Only a Paper Moon」からとったそうです。