麻雀放浪記(1984)
劇場公開日 1984年10月10日
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阿佐田哲也の自伝的な小説を、イラストレーターの和田誠が初監督した『麻雀放浪記』。
1984年の作品でありながら、あえて全編をモノクロで撮影し、終戦直後の東京を独特の空気感で描いています。
主人公の坊や哲を演じるのは真田広之。それまでの自分にとって真田広之といえば、ひきしまった筋肉と身体能力で魅せるアクション俳優という印象が強かっただけに、本作で普通の青年として、名優たちを相手にじっくり芝居をする姿を見たのは新鮮でした。
「こんな芝居もできる俳優だったんだ」という驚きとともに、ファンとしては嬉しく感じたことを覚えています。
鹿賀丈史のドサ健、大竹しのぶのまゆみ、加賀まりこのママ、そして高品格の出目徳と、周囲を固める俳優たちも強烈。
当時の私は麻雀の遊び方をまったく知らなかったのですが、それでも牌を打つ音や登場人物たちの視線、張りつめた沈黙から、勝負の緊張感がしっかりと伝わってきました。
和田誠はもともと映画のイラストを数多く手がけ、映画についての著作も残した相当な映画通。
そう考えれば、初監督とはいえ映画の見せ方を熟知していたのでしょう。それでも、初めて撮った長編映画でこれほど完成度の高い作品を作り上げたことには、やはり驚かされます。
▼ 【予告篇】『麻雀放浪記』4K SDR|角川シネマコレクション