映画チラシのデジタルアーカイブサイト

家族の肖像

Conversation Piece
日本公開日 1978年11月25日

家族の肖像[映画チラシ裏面]

『山猫』『ベニスに死す』『地獄に堕ちた勇者ども』で知られるイタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ。
ネオレアリズモの時代には庶民の生活を生々しく描きましたが、ムーブメント終焉後は、自らの貴族的なルーツを生かし、貴族の没落や芸術家をテーマにした、重厚で耽美な作品群を生み出しました。

『家族の肖像』は、ヴィスコンティにとって最後の作品です。日本公開時には大ヒットを記録し、孤高の芸術映画の殿堂「岩波ホール」に、映画ファンだけでなく、「お耽美」趣味の女性たちも多く訪れたという記憶があります。

物語は、孤独な老教授のもとに、ひと癖ある若者たちが同居することになり、血のつながりがなくても「家族」という形を築いていけることを描き出します。

青年役を演じたヘルムート・バーガーは、ヴィスコンティ監督の愛人でもあった美貌の俳優で、監督の複数の作品に出演しています。
当時、彼目当てに映画館に足を運んだ女性ファンも多く、写真集も人気でした。調べてみると、今でも「ヘルムート・バーガー: 魔性の美貌」(梶原 和男)は手に入るようですね。