時をかける少女(1983)
劇場公開日 1983年7月16日
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原田知世の透明感のある素朴さと、ひとつひとつの丁寧な所作が、この作品の空気にとてもよく合っていました。
まだスター然としていない初々しさが、時間を越えるという不思議な出来事に戸惑う少女の姿と自然に重なって見えました。
のちに「尾道三部作」と呼ばれる作品群の第2作でもあり、尾道の坂道や路地、古い町並みといった、どこかなつかしい日本の風景が物語と溶け合い、SFでありながら郷愁に包まれたジュブナイル映画の名作になりました。
そこに重なる映画音楽の旋律もとても印象的で、風景や登場人物の感情を静かに包み込みながら、作品全体の切なさと懐かしさをいっそう深めていました。
大林宣彦監督らしい合成表現も、この作品では比較的控えめに使われています。
なかでも、街をさまよい歩く原田知世の姿を連続写真のように見せる場面は印象的で、技巧が前に出るのではなく、現実の今でないどこかを、そのまま映像化したような、奇跡的に成功したエモーショナルなエフェクトでした。
そして何より忘れられないのがエンドロールです。
原田知世が歌う主題歌「時をかける少女」に合わせて、作品中のさまざまな場面がもう一度よみがえっていく構成は、映画そのものに別れを告げる最高のカーテンコールでした。
▼ 【予告篇】『時をかける少女』|角川シネマコレクション