タワーリング・インフェルノ
The Towering Inferno
日本公開日 1975年6月28日
「タワーリング・インフェルノ」が公開された1975年当時、まだ東京には高層ビルが今ほどありませんでした。ましてや高層マンションなどなかった時代です。
高層階で火災が起こると、とんでもないことになる、とこの映画を観てわかっていたので、私個人としては、高層マンションへの憧れは微塵もございません。
パニック映画といえばオールスターキャストですが、今作はポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンという、男が憧れる男を代表する2大スターが共演。
高層ビル火災からどうしたら生き延びることができるか?の好奇心と、2大スターがどう活躍するか、観ない理由がわからない話題作でした。
日本の特撮映画では、炎と水の表現が難しいとされていました。どんなに精巧なミニチュアと作ったとしても、物理現象としての炎と水飛沫は実際のサイズになってしまうので、スケール感のリアリティが出せないのです。
ところがこの「タワーリング・インフェルノ」での火災は、炎の大きさと建物の大きさに違和感がなく、本当に起きている火災の怖さがありました。ミニチュアセットと言いながら、10mという高さのビルを作ったそうで、ハリウッド映画はお金のかけ方が違うんだということを思い知りました。
大勢出てくるキャラクターの中で、心優しい詐欺師として往年のタップダンスの名手フレッド・アステアが出演していたのが嬉しかったな。高齢になってもイメージにあった役をされているのが、緊迫するシーンの連続の中にあって、ほっこりさせてくれました。
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