魔女の宅急便
Kiki’s Delivery Service
劇場公開:1989年7月29日
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角野栄子さんの児童文学を原作としながら、宮崎駿監督が大胆なアレンジを加えたことでも知られる作品です。特にキキが魔法を失い、ジジと言葉が通じなくなる展開は、原作以上に「才能の壁」や「思春期の孤独」を鋭く突いていて、当時成人になったばかりだった私も、胸が締め付けられる思いでした。
もしこの作品との出会いが中高生の頃だったなら、等身大の自分が描き出された生涯第一位の映画になっていたことでしょう(実際には中学生の時に『ロッキー・ホラー・ショー』と出会ったことで、人生が大きく変わってしまいました)。
それでも、少女が直面する現実の世界を丁寧に描く本作は、宮崎監督作品の中で私が一番好きな作品です。
ストーリーを追って観る1回目より、2回目以降で、セリフのない細部や人物の背景に目が向くようになり、大人になっていくことを受け入れることの葛藤、見守る周囲の大人の優しさという部分が、より深く描き込まれていることに気づかされます。
主題歌に採用されたユーミンの「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」も耳に残りますよね。
すでに知られた名曲でしたが、今では曲を聴くと「魔女の宅急便」を思い出すくらい強いマッチングがありました。
本作より前の宮崎作品は、アニメファンから高く評価されつつも、興行的には大ヒットに至りませんでした。
しかし今作は、タイトルにちなんで「ヤマト運輸」がスポンサーとなり、プロデューサーの鈴木敏夫氏の手腕で「日本テレビ」が製作に参加。テレビCMなど宣伝に力が入り、大ヒットに繋がりました。
もし本作がヒットしなければ、宮崎駿監督作品は配給会社から見切りをつけられていた可能性もあったと後で知り、当時は「商業的だ」という声もありましたが、結果的にヒットして本当に良かったと思っています。