ジョニーは戦場へ行った
Johnny Got His Gun
日本劇場公開日 1973年4月7日
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たしか『日曜洋画劇場』で放送されたのを、小学6年生のころに観た記憶があります。
それまで自分の中では、戦争といえば漠然と「人が死ぬもの」というイメージしかありませんでした。ところがこの映画で描かれていたのは、戦場から生きて帰ってきたにもかかわらず、両手両足を失い、目も見えず、耳も聞こえず、口をきくこともできなくなった青年ジョーの姿です。
死ぬことだけが戦争の恐ろしさではない。生き残ったその先に、こんなにも残酷な運命が待っているのかと、子ども心にものすごいショックを受けました。
しかもジョーは、もともとごく普通の、やさしそうなお兄さん。家族や恋人との穏やかな思い出が描かれるほど、「こんなにやさしいお兄さんが、戦争によってこんな姿になってしまった」ということが怖くて仕方ありません。
病室での現実をモノクロで、記憶や幻想をカラーで描く演出も、そのあまりに大きな落差を強烈に印象づけます。
観終わったあともジョーの姿が頭から離れず、その夜は怖くてなかなか眠れなかったことを覚えています。
戦場を大きなスペクタクルとして見せるのではなく、戦争によってひとりの人間から何が奪われてしまうのかを、これほど残酷なかたちで見せつけられたのは初めてでした。
自分にとって「戦争は怖い」という感覚を、初めて具体的な人間の姿として刻み込んだ映画だったのだと思います。
*1971年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、国際映画評論家連盟賞、国際エヴァンジェリ映画委員会賞、1972年度芸術祭大賞(日本)を受賞。
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