映画チラシのデジタルアーカイブサイト

燃えよドラゴン

Enter the Dragon
日本劇場公開日 1973年12月22日

燃えよドラゴン[映画チラシ 表面]
燃えよドラゴン[映画チラシ 裏面]

『燃えよドラゴン』を観たとき、まず感じたのは「これは今までの映画と何かが違う」という戸惑いでした。物語は、悪の島で開かれる武術トーナメントに潜入するという分かりやすいものでしたが、スクリーンに立つブルース・リーの存在感は、それまで知っていたどんなスターとも質が違っていました。芝居がどうこう、アクションが派手だという以前に、画面の中に“本物”が立っているように見えました。

当時の映画ファンの目には、ブルース・リーは役を演じる俳優というより、ひとつの現象のように映っていました。構えたときの静けさ、無駄を削ぎ落とした動き、そして一瞬で終わる闘い。そのすべてが、それまでのアクション映画の文法とは違っていました。観客は理解するより先に、圧倒されていたのだと思います。

なかでも衝撃的だったのは、その肉体でした。腹斜筋までくっきりと浮かび上がった身体は、たくましいという言葉では足りませんでした。大きさではなく、研ぎ澄まされた線だけで成り立った、見たことのない人間の形でした。「どれほど鍛えれば、ここまでの身体になるのか」と、憧れというより畏怖に近い感情で見ていました。

そして、男の子たちの世界では、ブルース・リーが振るうヌンチャクが一気に流行り、新聞紙を丸めて作った即席のヌンチャクを振り回す姿が、あちこちで見られました。正しい使い方など誰も知らず、それでも真似をしたくなるほど、あの動きは衝撃的でした。ヌンチャクは武器というより、「燃えよドラゴン」を観た証のようなものでした。

『燃えよドラゴン』は、ブルース・リーという人物が世界に届いた瞬間の映画でした。同時に、観る側にとっても、ヒーロー像や身体のイメージが一気に塗り替えられる体験でした。公開当時、この作品が特別な熱を帯びて受け止められたのは、物語以上に、「初めて見る何か」を確かに目撃したという感覚が、誰の中にも残ったからでした。

アメリカ国立フィルム登録簿 登録作品


映画チラシの収集第一次ブームは、1973年「燃えよドラゴン」日本公開時から始まったと言われています。この作品のチラシが手元にほしくて、中学生を中心に映画チラシ収集がブームになりました。
というわけで、70年代に日本公開されたチラシの締めは、「燃えよドラゴン」としました。色々掲載のない作品もありますが、手に入ることがあれば、追って掲載していきます。

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