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転校生/オン・ザ・ロード

劇場公開日 1982年4月17日

[転校生/オン・ザ・ロード 映画チラシ表面]
[転校生/オン・ザ・ロード 映画チラシ裏面]

大林宣彦監督の故郷・尾道を舞台にした「尾道三部作」の第一作。
山中恒の児童文学『おれがあいつであいつがおれで』を原作に、主人公たちを中学生に設定し、男女の心と体が入れ替わるという奇想天外な物語を、コミカルでありながら、とても繊細な青春映画に仕上げた傑作です。

尾道に暮らす中学生の斉藤一夫(尾美としのり)のクラスに、幼なじみの斉藤一美(小林聡美)が転校してきます。
ある日、二人は神社の石段を一緒に転げ落ち、それをきっかけに互いの体が入れ替わってしまいます。
今では『君の名は。』などでもおなじみの設定ですが、公開当時は「なんじゃ?その設定!」と笑い飛ばしていたような気がします。

男女の違いから生まれる笑いがいっぱいの物語ですが、実はその奥に、思春期ならではの戸惑いや、異性の体になって初めて気づくことが、たくさん詰まっています。
何気ない言動が、異性からすればどれほど無神経に感じられるか。
自分を大切に思う気持ちと、異性への共感。
今の時代にこそ観てほしい、ジェンダーについて考えるきっかけにもなる作品だと思います。

尾美としのりと小林聡美の演技も素晴らしく、特に小林聡美の少年になりきった姿には、すっかり引き込まれました。
ところが妻に言わせると、「尾美くんの女の子になりきった演技も素晴らしい!」とのこと。
なるほど、観る側の性別によって、注目するところも違うのかもしれません。これもちょっと面白い発見でした。

坂道や石段、海を望む街並み。尾道の風景そのものが物語に溶け込み、どこか懐かしく、切ない余韻を残します。
笑って観ていたはずなのに、最後には胸がキュッと締めつけられる。大林監督のどこまでも優しいまなざしが、この映画を特別な一本にしています。

昔は年に一度くらい、地上波テレビで放送されていた記憶があります。
ジブリ作品のように、この映画も毎年テレビで放送してほしい! そんなふうに思える、あらゆる世代に何度でも観てほしい作品です。

***

『オン・ザ・ロード』は、『転校生』と同時公開された和泉聖治監督作品。
ピンク映画を数多く手がけてきた和泉監督の一般映画デビュー作であり、主演を務めた渡辺裕之の映画デビュー作でした。

物語は、追跡中の事故で若い女性に重傷を負わせてしまった白バイ警官・富島哲郎(渡辺裕之)が、彼女への謝罪を胸に、東京から沖縄へ向かう旅に出るロードムービー。警察組織との対立や、憎しみから愛へと変わっていく男女の関係が描かれます。

私は未見なのですが、青春ファンタジーの『転校生』と、バイクで日本を縦断する『オン・ザ・ロード』という組み合わせは、なかなか硬派な2本立てで興味深いですね。

▼ 転校生 予告篇|動画とおとも

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