燃えよドラゴン
Enter the Dragon
日本劇場公開日 1973年12月22日
![燃えよドラゴン_1 - あの頃の映画チラシ 燃えよドラゴン[映画チラシ 表面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/01/燃えよドラゴン_1-1380x1942.jpg)
![燃えよドラゴン_2 - あの頃の映画チラシ 燃えよドラゴン[映画チラシ 裏面]](https://eiga-flyer.com/wp-content/uploads/2026/01/燃えよドラゴン_2-1380x1953.jpg)
『燃えよドラゴン』を観たとき、まず感じたのは「これは今までの映画と何かが違う」という戸惑いでした。物語は、悪の島で開かれる武術トーナメントに潜入するという分かりやすいものでしたが、スクリーンに立つブルース・リーの存在感は、それまで知っていたどんなスターとも質が違っていました。芝居がどうこう、アクションが派手だという以前に、画面の中に“本物”が立っているように見えました。
当時の映画ファンの目には、ブルース・リーは役を演じる俳優というより、ひとつの現象のように映っていました。構えたときの静けさ、無駄を削ぎ落とした動き、そして一瞬で終わる闘い。そのすべてが、それまでのアクション映画の文法とは違っていました。観客は理解するより先に、圧倒されていたのだと思います。
なかでも衝撃的だったのは、その肉体でした。腹斜筋までくっきりと浮かび上がった身体は、たくましいという言葉では足りませんでした。大きさではなく、研ぎ澄まされた線だけで成り立った、見たことのない人間の形でした。「どれほど鍛えれば、ここまでの身体になるのか」と、憧れというより畏怖に近い感情で見ていました。
そして、男の子たちの世界では、ブルース・リーが振るうヌンチャクが一気に流行り、新聞紙を丸めて作った即席のヌンチャクを振り回す姿が、あちこちで見られました。正しい使い方など誰も知らず、それでも真似をしたくなるほど、あの動きは衝撃的でした。ヌンチャクは武器というより、「燃えよドラゴン」を観た証のようなものでした。
『燃えよドラゴン』は、ブルース・リーという人物が世界に届いた瞬間の映画でした。同時に、観る側にとっても、ヒーロー像や身体のイメージが一気に塗り替えられる体験でした。公開当時、この作品が特別な熱を帯びて受け止められたのは、物語以上に、「初めて見る何か」を確かに目撃したという感覚が、誰の中にも残ったからでした。
映画チラシの収集第一次ブームは、1973年「燃えよドラゴン」日本公開時から始まったと言われています。この作品のチラシが手元にほしくて、中学生を中心に映画チラシ収集がブームになりました。
というわけで、70年代に日本公開されたチラシの締めは、「燃えよドラゴン」としました。色々掲載のない作品もありますが、手に入ることがあれば、追って掲載していきます。